留学生の受け入れによる労働力向上
NPO法人食品安全ネットワーク 理事 島路 幸宏
(株式会社大つる)

株式会社大つるの島路と申します。
2回目の巻頭言の機会をいただき有り難うございます。
まずは会社の紹介をさせていただきます。
弊社は7基の銅釜を使い、まろやかな味のこだわり和総菜を作る70年の歴史がある小さな会社です。小規模ながら大手量販店様の関西おせちや、有名割烹・旅館様、また介護施設様に幅広く製品を提供させて頂いています。銅釜の特性を生かした、ダシからこだわった無添加の煮物には評価を頂戴しています。10代・20代の若い社員が中心となり7S改善活動を行っており、快適で効率のいい職場づくりを目指しています。
今回は弊社と留学生についてお話させていただきます。
弊社は毎年年末におせちの製造があり、11月から12月は猫の手を借りたいほどの多忙を極めます。
毎年8月ぐらいから募集を始め年末に備えますが、近年募集をしてもなかなか人が集まらなくなりました。かつ面接の約束をしても8人連続して来ないという時代になってしまいました。このま
までは年末業務に支障をきたすため、思い切って近くの日本語学校に飛び込み、留学生の紹介をしていただけないかご相談させていただきました。
たまたま、1か月前に来日し、アルバイトが決まっていないネパールの留学生たちがいましたので、快く4名の方をご紹介いただきました。いままで中国やベトナムの方にはお手伝いをしていた
だいたことがありましたが、ネパールの方たちは初めてです。最初は多少のためらいがありましたが、一緒に作業をするとすぐに払拭され、大きな戦力になってくれています。
皆様はネパールと聞いてどのようなイメージを持ちますでしょうか?ネパールはインドと中国に囲まれた世界最高峰のヒマラヤ山脈の麓の国であり、首都カトマンズでは標高が1400mあり、日本の平均標高の約7.5倍になります。山岳地帯に住んでいる人達のため、性格も非常に穏やかで、素直で純粋な民族です。
弊社のおとなしい社員ともすぐに波長があい、また仕事に対して非常に貪欲で自ら進んで機械操作などにも取組んでおり、今ではなくてはならない仲間になっています。
留学生は1年半もしくは2年の期間、日本語学校に通います。1年間に何度かまとまって来日し、来日前には2か月から6か月日本語を勉強していますので、おおむね意思は通じます。中には来日してから宅急便やファーストフード、大手お弁当会社の夜勤を経験した子達もおり、また母国で大学・大学院卒業後、銀行員や教師など様々な職業を経験した人がいます。日本語学校に通う留学生は午前中に授業がある子は午後から仕事をし、午後に授業がある子は午前中仕事をします。ただし留学生なので週28時間勤務の制約があるため、それを考慮し最大限働けるようシフトを組んでいます。そして長期休暇には1日8時間勤務が許されています。彼らのほとんどが140万円ほどの渡航費および授業料などを親が払っていますので、比較的裕福な家の子達ですが、親にお金を返すために一生懸命働いてくれます。4人からスタート
した留学生ですが、すぐに友達を紹介していただき、今では20人のネパールの留学生が弊社で働いています。私の夢は、この子たちに再会するために、5年後に社員旅行でネパールに行くことです。また、日本語学校を卒業したのち、2年間の専門学校か日本の大学に進学しますが、その中から1人でも弊社に就職してくれることを願っています。
また、外国人の就職をサポートしている会社から紹介を受け、早速この春には男性1名、女性2名、計3名のネパール人の正社員採用も決めました。弊社では通訳と生産管理を担当していただき
ますが、留学生たちのリーダーとして、また良き相談相手として活躍してくれることを期待しています。
以上、弊社の新たな労働力事情をお話させていただきました。
最後になりましたが、この場をお借りし理事退任のご挨拶をさせていただきます。
2017年から5年間、理事の末席に名を連ねさせていただいたことは、私にとって本当に貴重な経験になりました。理事として何もお手伝いすることができませんでしたが、この会で学んだ7Sの精神は今後も若い社員達とともに実践してまいりたいと思います。
短い間でしたがお世話になり、ありがとうございました。
