食品安全ネットワーク創立25周年総会を終えて
NPO法人 食品安全ネットワーク 理事長 角野 久史
(株式会社角野品質管理研究所 代表取締役)

「第6回NPO法人定期総会(創立25周年記念総会)と特別講演会」を2022年5月18日(水)にエル・おおさか(大阪府立労働センター)で開催しました。
2021年度事業報告、決算報告、監査報告、2022年度事業計画、予算等の議案が参加者全員の賛成で成立しました。
食品安全ネットワークが創立25周年を迎えました。1997年7月に大阪天保山のホテルで70数名の参加で創立総会をおこない、はや25周年を迎えました。
この間、食品工場の見学、講演会、米虫塾、海外研修、セミナー等を数多く行ってきました。
特に強調したいのは食品衛生7S(整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)の構築、普及です。5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は日本独特の品質管理手法で多くの食品企業がおこなっています。しかし、食品衛生7Sは食品安全ネットワークで構築して、事業の中心的柱として普及をおこなってきました。
食品衛生7S構築の経過は、私が京都生協の品質管理担当(1995年~2008年)をしているときでした。取引先メーカーが異物混入やカビ等の品質クレームが発生すると、工場調査をおこない、そのメーカーと一緒になって原因調査と再発防止策を作成して改善をおこないます。しばらくするとまた同じメーカーが異物混入等のクレームを発生するのです。
その原因調査と対策をするために、その都度工場調査を行うのです。
そこで、2000年前後工場調査をおこなっているときに、クレームを良く出すメーカーは、ふと「5S」ができていないことに気づいたのです。
5Sについてコンサルティングができるように「コープ充填トーフ」の製造会社である四国化工機が5Sを実践していることを知り、勉強に行きました。
そこで目にしたのは写真1の机の5Sです。見事なぐらい机の整理・整頓・清掃がおこなわれていて清潔な状況が躾で守られています。

写真1
まず、5Sの品質管理が不十分なメーカーにはコンサルティングをおこなうようになりました。
しかし、食品安全ネットワーク設立後、メンバーと論議や経験をする中で、5Sは工業の中で生まれて発展してきたものであり、目的は効率なので食品向けにアレンジする必要があるということになりました。
そこで、2004年に食品衛生新5Sを構築して「食品衛生新5S入門」(米虫節夫編 角野久史・衣川いずみ著 日本規格協会出版)(写真2)を出版しました。

写真2
食品衛生新5Sとは「整理・整頓・清掃(洗浄・殺菌を含む)・清潔・躾」としたのです。
食品の安全は、機械や器具等を「ふく・はく」だけでは清潔にならないので、清掃に加えて洗浄・殺菌が必要であるとしたのです。
この本の「はじめに」項で米虫先生は「食品衛生新5Sは、微生物レベルまで考えた清潔を作り出し、維持するための活動です。この食品衛生新5Sを行うことにより食品産業における食品衛生や食品安全を保証することができるようになり、かつ、企業におけるマネージメントシステム導入の突破口となるでしょう」と言っています。
そして、2006年に5Sに洗浄・殺菌を加えて目的を清潔にした食品衛生7S「整理 整頓 清掃 洗浄 殺菌 躾 清潔」を発表しました。
日科技連出版より、食の安全を究める「1.食品衛生7S(導入編)」(米虫節夫編著)」「2.食品衛生7S(洗浄・殺菌編)(米虫節夫監修・角野久史編著)」「3・食品衛生7S(実践編)(米虫節夫監修・冨島邦雄編著)」を出版しました。(2006年度日経品質管理文献賞受賞)(写真3)

写真3
米虫先生は「シリーズ刊行にあたって」の項で「食品安全ネットワークは従来食品衛生新5Sという名称で食品企産業における5Sを多くの場所で発表してきました。著者らは、従来の工業5Sと差別化し、さらに食品産業の実態に即したしたものに特化するという観点から食品衛生新5Sを食品衛生7Sと改称してその内容を再編成した」と述べています。
食品衛生7Sを構築、普及してきて16年です。毎年2月に行っている「食品衛生7S事例発表会」でも延べ90社の食品企業が発表してくれました。また、月刊食品工場長では「微生物レベルの清潔を目指す‐食品衛生7S」の特集を2021年の12月から連載がおこなわれています。食品衛生法改正で「HACCPに沿った衛生管理の制度化」「営業許可の見直しと営業届制度の新設」とがおこなわれて、食品企業はさらに安全なモノを製造し消費者に安心してもらえる企業にレベルアップが求められています。
食品安全ネットワークもさらに食品衛生7Sの普及を要として、レベルアップしてさらなる25周年をめざします。そのためには、今後の食品安全ネットワークを支えてくれる若手の加入や積極的参加を期待します。
